設計のきづかい
一人ひとり考えも違えば、生活スタイルも環境も違う。
だから、設計を行う上で、入念な敷地環境調査が
必要不可欠だと私たちは考えています。
お医者さんが薬を処方する前に、問診や検査を行うのと同じように、住み心地の良いプランをつくるには、
事前に建築地の環境、および周辺環境をよく知っておく必要があります。
では、「住み心地が良い」とは一体どのようなものでしょうか。
それは、外部からの視線や隣家との距離感、影の影響、季節また時間によって変わる日当たり、風向き、眺望、様々なことから成り立っていると私たちは考えています。
だからこそ、設計する前の敷地環境調査に力を入れているのです。
「たった一つの場所を、最高の場所」にするために。
こだわるのは、設計だけでも、施工だけでもない。
わたしたちは、敷地環境調査も大切にしたい。
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建築予定地の周辺(更地)に将来どんな家が
建つか気にしたことありますか?周辺が更地ということで何も気にせず家の計画をしてしまうと、
将来「視線」や「日当たり」の問題でトラブルが出てしまいます。
そういったことを防ぐためにも、完成した家のその先を想定して設計をしています。 -
建築予定地の季節による風の向きって
知っていますか?地域によって風の向きが微妙に違ってきます。その微妙な風向きを調べて家の中に効率よく風を送り込めるよう窓の配置計画をします。特に、群馬県では赤城山から吹き込む「赤城おろし」と呼ばれる強い風が初秋から発生します。場合によりますが、赤城山側を風の通り道にしてしまうと、強い風が家の中まで入ってきて窓が開けられない、砂埃が舞って洗濯物が干せない、ということもあるのです。
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周辺環境の影の影響について意識したことはありますか?
建築予定地の周辺の家の位置を確認し、影の動きを調べながら家の計画をしていきます。窓から差し込む光は、室内の明るさや雰囲気に大きく影響してきます。また窓の位置、大きさによって、陽の光が部屋に入り込む角度や強さが変わってきます。そのため、隣接する家の影がどのように伸びるのか、事前に調査しておく必要があるのです。
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雨が降っているときの生活を
考えたことがありますか?雨が降っていると、駐車場から家の中に入るまでに濡れてしまったり、洗濯物が外に干せなくなってしまったりと何かと不便が出てきます。雨を考慮した玄関ポーチや動線、部屋が濡れないための傘立ての位置、またランドリールームを配置することで、普段と変わらない生活に近づけることができます。
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家の窓から見える景色を意識していますか?
開放的な家は心地いいですが、開放的な窓の向こう側に、隣家の視線があってはゆっくり寛ぐことはできません。部屋の南側に大きな窓を設ければ開放的になると思いがちですが、逆に立地によっては外からの視線が気になり開放しづらい窓になってしまうことがあります。だから私たちは、窓から見える景色や想像する暮らしをいくつもの角度から事前に調査し、その場所にとって最高のプランとなるよう考えています。
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時間帯によって変わる交通量を気にしたことがありますか?
交通量が多いときでも、車が出入りしやすい向きの止め方を考えて駐車計画を考えます。
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建物の裏にはどんなときに行きますか?
建物の裏手であっても、利用目的や生活スタイル、広さによって考える必要があります。ゴミ捨てなどの目的で勝手口を設けるのであれば、ゴミステーションへの動線を考えて配置することやガーデニングやリラックススペースとして活用するなら、前もって周囲からの視線を気にならないよう間仕切りやフェンスを検討するなど、事前に環境と合わせて考えておくことが大切です。
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隣家の室外機や給湯器の位置を気にしたことがありますか?
夜間に音が大きくなりがちな室外機や給湯器の近くに窓を設ける場合は、窓の大きさや取り付ける高さなどを事前に調整しなければなりません。建築段階では細かくも住み始めた後はとてもデリケートなところです。そのためにも周辺環境を事前に把握して対策しておくことが必要です。