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ま【間】
「間」と聞いてどんなことを 思い浮かべるだろう。
人と人、モノとモノのあいだ。
あるいは言葉と言葉、動作と動作とのあいだにある時間的な間隔。
「間」を「余白」と連想した方もいるだろう。
古来より、書道や日本画などでは、描かれていない紙の部分
すなわち「余白」を活かすことで、美しさや感情を表現してきた。
また、歌舞伎や舞踊、映画といった芸能の面でも、
「間」のとり方によって様々な演出をすることができる。
喜び、哀しみ、怒りといった感情を
その「間」でコントロールしているのだ。
「間」には、人に感動や新しい気づきを与えてくれる
欠かせない「役割 」を担っている。
つかえるま【使える間】
理想の暮らしとはなんだろう。
広いリビング、おしゃれなキッチン、雨の日でも洗濯物を干すことができるランドリースペース。
そういった場所はもちろん大切。
しかし、その場所でどう楽しむか、そこが本当はもっと重要だ。
家族が健やかに笑顔で過ごすには、
デザインの美しさだけでなく、
住むことではじめて気づく、ココロの部分も大切に考えたい。
ランドリースペースにしても、ファミリークローゼットにしても、
パズルのように単純に配置した間取りだと、
そこにいくことが面倒になって、使われない場所になってしまうこともある。
見た目はいいかもしれないが、実際に使われなくては意味がない。
大切なのは、空間と空間を心地よくつなげることで、
住まう家族にとって使いやすい場所をつくること。
そのために、ときのあは「使いやすさ」と「間」を組み合わせた「使える間」描く。
日々の暮らしで、「片付けなさい!」がない生活はなかなか心地がいいものだ。
例えば、子どものために、「おもちゃの散らかし場」を作ってあげるのもいい。
散らかってていい空間というのは、親も子もどれだけ気持ちがラクになることだろう。
その時に、「おもちゃの隠し場所」も一緒に考えておくと、なおいい。
子どもにとって、片付けるは嫌いでも、隠すことは実は好きだったりする。
想像している暮らしを先回りして、モノの住所を決めておくことで、
迷わず、悩まず、片付けができる環境を自然に整えてくれる。
リビングと外をつなぐ土間は、実は家事をラクにしてくれる貴重な「使える間」だ。
臭いが気になるゴミ出し前の袋や捨てるための段ボールを退避させたり、
泥汚れが気になるモノを一旦置いておくこともできる。
使い方によって、部屋の空気や玄関を汚さないスペシャルな「間」にすることができる。
一方、自分の時間に集中したい時、
あえて家族と距離を取るために、
ココロのONと OFFが切り替わる「間」として使うのもいい。
家族の間にだってちゃんとプライバシーはある。
仕事や家事を終えて、ふと息をつきたい時もある。
その瞬間、自分を癒してくれる「空間」が、
どういう場所にあって、
どういうものに囲まれ、
どういう時間を過ごさせてくれるだろうか。
まだ見ぬ暮らしを想像し、
毎日の中で、面倒や不満を感じないように、
穏やかに過ごせる暮らしを何気なくつくりだす。
それがときのあの「使える間」だ。
あなたにとって
どんな「使える間」があるだろうか。
一度、想像してみてほしい。