平屋のメリットについて、お客様からよく聞かれる平屋の魅力を教えてください。

  • ワンフロアで完結するから家事がラク
  • 階段がないから老後も安心
  • 冷暖房の効率がいい
  • どこにいても人の気配を感じられる
  • 外との一体感がある

「家事がラク」という声について、実際のところはいかがでしょうか?


木村:
私自身も平屋に住んでいますが、2階建てに住んでいたときより、暮らしやすさが格段にアップしました。何より上下階の移動がないのがとてもラクですね。

以前は子どものトイレの付き添いや片付けなどで、子ども部屋のある2階へ1日に何度も往復していましたが、今は1階にすべて集約されているので、自分の部屋で遊んだり、片付けも自分でできるようになって、リビングが散らからなくなりました。リビングにいて子どもの気配を感じられるので、親の私たちも安心ですし、暮らしにゆとりが生まれた気がします。

あとは掃除機のコンセントを差し替える手間が2回で済みます…って、今どき皆さん、コードレス掃除機ですよね(笑)

茂野:
私も平屋に住んでいます。わが家の一番の魅力は、ぐるっと回れること。行き止まりのない回遊動線のおかげで、料理をしながら洗濯や掃除ができちゃう。同時にさまざまな家事をこなせるので、家事時間をグンと短縮できています。

平屋で暮らす設計士に聞く!平屋のメリット・デメリット詳細画像

「階段がない」のは老後の安心だけでなく、子育て世代にもメリットがあるんですね。


木村:
そうですね。これまで平屋は、老後を見据えたシニア世代に人気でしたが、最近は子育て世代からも注目を集めています。実際、当社でも子育て世代のお客様の半数が平屋を選んでいます。

子ども部屋を2階につくると、子どもが小さいうちはほとんど機能しませんし、子どもが独立した後は空き部屋になってしまいがちです。しかし、平屋なら夫婦別の寝室や趣味の部屋にするなど、いろいろな用途にチェンジできますよね。ライフステージに合わせて住み替えられるのも、平屋の大きな魅力だと感じています。


「冷暖房の効率」について、平屋ならエアコン1台で暮らすことは可能ですか?


筑井:
工夫次第で可能だと思います。ただし、高気密・高断熱の家であることが条件です。

当社では、断熱材には隙間なく充填できるウレタンフォーム吹付け、サッシにはアルミと樹脂複合サッシやLow-eガラスを使用するなど、耐候性・断熱性に優れたものを採用しています。

木村:
住宅性能に加えて、各部屋に冷暖房が届きやすくするため、間取りも重要なポイントです。軒を出して夏の直射日光が入らないよう工夫したり、2方向にサッシを設けるなど、空気が溜まらないように工夫しています。


「どこにいても人の気配を感じられる」のは、安心ですよね。


茂野:
そうですね。とくに小さなお子さんのいる生活では、家事をしながら子どもに目が届きやすいので安心です。また、夫婦2人の生活でも、別の部屋にいてもお互いの気配を感じられるので、ほどよい距離感を保てるのも平屋ならではのメリットかなと思います。


「外との一体感を演出」するためのテクニックはありますか?


筑井:
広い開口部や引き戸、大きな窓などを活用することで、庭への移動がスムーズになります。また、室内と室外のデザインが調和していることも重要。例えば、庭とリビングの床や天井の高さを揃えることで、室内外の境界が曖昧になり、統一感のある空間が生まれます。

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平屋のデメリットとして、お客様が不安や疑問に感じることは何ですか?また、その解決法があれば、ぜひお聞かせください。

  • 建築費が高い
  • プライバシーや防犯面が心配
  • 日当たりが悪いのでは?
  • 外観がダサくなりがち
  • 間取り作りが難しそう

平屋は「2階建てより割高」になるのは本当でしょうか?


筑井:
2階建てと同じ延床面積の場合、平屋だと基礎工事と屋根工事の面積が倍近く必要になるので、その分、費用がかさんでしまうのは事実です。しかし、階段スペースが不要だったり、廊下など無駄な空間を減らして延床面積を小さくすれば、結果的に同程度の金額まで下げることも可能です。

木村:
坪単価は平屋のほうが高くなる傾向にありますが、総工費は階段の設置や配管コストがかかる分、2階建てのほうが高くなるケースもありますね。


「プライバシーが心配」という声について、プライバシーを守る解決法はありますか?


筑井:
当社では入念な敷地環境調査をもとに、窓の配置を工夫したり、軒の出や木格子をあしらって目隠しにしたりしています。また、家の中心に中庭をつくり、中庭を囲むように部屋を配置することで、外からの視線を遮ることもできますよ。

木村:
セキュリティーに関しては、窓の種類や大きさを防犯に適したものにするのも有効です。例えば、縦すべり出し窓で人の頭が入らないサイズにすれば、防犯性が高まります。縦すべり出し窓は風を取り込みやすく、デザインのポイントにもなるのでおすすめです。


「日当たり」に関してはいかがでしょうか?


筑井:
建築面積が広くなればなるほど、家の中心部が暗くなってしまうので、当社では天窓や高窓を設け、自然光を取り込むようにしています。


単調になりがちな「平屋の外観」について、おしゃれに見せるアイデアはありますか?


筑井:
屋根のデザインに工夫を凝らすことで、個性を出すことができます。当社で多いのが「片流れ屋根」ですね。屋根面積が広いので太陽光パネルを設置しやすく、発電量を確保しやすいという利点があります。天窓や高窓を取り入れたり、室内にロフトを作ることも可能です。

木村:
窓の位置や大きさも、外観デザインのひとつ。当社でよく採用しているのが、縦すべり出し窓や横すべり出し窓などです。採光や防犯にも直結するので重要なポイントです。

茂野:
わが家の自慢は、生活しやすい間取りもさることながら、外観も美しい。帰宅するたびにステキだなって惚れ惚れするし、朝家を出るときも、振り返って見ちゃう自分がいます。当社の施工事例をご覧になれば、不安を払拭していただけるかなと思います。


「難しい平屋の間取り」について、工夫していることはありますか?


筑井:
家族との時間をどれだけ増やせるか、家族や時間、空間のつながりを意識して設計しています。

仕事で疲れて帰ってきているのに、掃除や洗濯、夕食の支度などやることが山積み…。働くママやパパの家事時間を短縮してあげることが、私たち設計士にできる「家族の時間を増やす」ことにつながると考えています。

木村:
例えば、大きな収納スペースを設けて、どこに何があるか一目でわかるようにするとか、玄関の近くにパントリーを作って、買ってきた物をすぐに収納できるようにするとか、引っ越してから家具を買い足さなくてもいいように、サニタリールームにタオルや着替えをしまえる棚を造作するとか。そこで生活する人の気持ちになって、四六時中そんなことを考えています。

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